2026年9月30日、小林製薬から新しい要指導医薬品「ギュラック」が発売されました。
ギュラックは、過敏性腸症候群(IBS)による下痢と便秘の両方に効果が期待できるお薬です。
「下痢にも便秘にも効くってどういうこと?」
「飲んでからどのくらいで効果が出るの?」
「普通の下痢止めとは何が違うの?」
今回は、ギュラックの有効成分や作用の仕組み、効果が出るまでの時間、服用できる人・できない人、注意点について解説します。

ギュラックとは?どんなお薬?
ギュラックは、過敏性腸症候群(IBS)の再発症状を改善する要指導医薬品です。
過敏性腸症候群とは、腹痛やお腹の不快感とともに、下痢や便秘などの便通異常を繰り返す病気です。
ストレスや緊張が症状に関係することもあります。
ギュラックの有効成分は「ポリカルボフィルカルシウム」。この成分は、医療用医薬品の「コロネル」や「ポリフル」にも使用されています。
特徴は、腸内の水分を調整することで、下痢と便秘の両方を改善する働きがあることです。
ただし、ギュラックは誰でも使えるお薬ではありません。
以前に医師から過敏性腸症候群と診断され、治療を受けたことがある人が、同じような症状を再発した場合に使用できます。
初めて下痢や便秘を繰り返すようになった人は、まず医療機関で診断を受ける必要があります。
有効成分「ポリカルボフィルカルシウム」の効果
ポリカルボフィルカルシウムは、水分を吸収して膨らむ性質を持った成分です。
胃の中では胃酸によってカルシウムが離れ、腸に移動すると水分を吸収して膨らみます。
この性質によって、便の水分量を調整します。
下痢の場合
下痢は、便に含まれる水分が多くなり、便がやわらかくなりすぎている状態です。
ポリカルボフィルカルシウムは腸内の余分な水分を吸収することで、便の水分量を減らし、適度な硬さに近づけます。
便秘の場合
便秘では、便が硬くなり、排便しにくくなることがあります。
ポリカルボフィルカルシウムは水分を吸収して保持することで、便の水分量やかさを調整し、排便しやすい状態に近づけます。
つまり、下痢を無理やり止めたり、腸を強く刺激して排便を促したりするのではなく、便の状態を整えるお薬なのです。
ギュラックは飲んでからどのくらいで効く?
ギュラックを飲んで、何時間後に効果が現れるのか気になる人も多いと思います。
しかし、ギュラックについて、服用後何時間で効果が現れるかを明確に示したデータは確認できませんでした。
同じ有効成分を含む医療用医薬品では、臨床試験において服用開始から約1週間で症状の改善がみられた報告があります。
ただし、これは医療用製剤の試験結果であり、ギュラックでも必ず1週間で改善するという意味ではありません。
また、服用後すぐに下痢を止めるような即効性が確認されているわけでもありません。
ギュラックは、便の状態を整えながら症状の改善を目指すお薬です。
2週間服用しても症状が改善しない場合は、服用を中止して医師または薬剤師に相談してください。
改善がみられる場合でも、服用できる期間は最大4週間です。
ギュラックはどんな人に使える?
ギュラックは、過敏性腸症候群の再発による症状に使用します。
例えば、次のようなケースです。
- 以前IBSと診断され、治療を受けたことがある
- 腹痛を伴う下痢を繰り返している
- 腹部不快感を伴う便秘を繰り返している
- 下痢と便秘を交互に繰り返している
ただし、これらの症状があるだけでギュラックを使用できるわけではありません。
医師によるIBSの診断・治療歴があり、以前と同様の症状が再発していることが重要です。
初めて症状が現れた人や、以前とは違う症状がある人は、医療機関を受診しましょう。
ギュラックの飲み方
ギュラックの用法・用量は次のとおりです。
- 対象年齢:15歳以上75歳未満
- 1回量:1錠
- 服用回数:1日3回
- 服用タイミング:食後
- 服用期間:最大4週間
服用するときは、コップ1杯(約180mL)の水とともに飲みます。
ここで重要なのが、十分な量の水で服用することです。
ポリカルボフィルカルシウムは水分を吸収して膨らむため、水が少ないと喉や食道につかえるおそれがあります。
また、錠剤を割ったり、砕いたりして服用することや、服薬ゼリー・とろみ剤を使用することは禁止されています。
ギュラックを飲んではいけない人
ギュラックには、服用してはいけない人が定められています。
まず、15歳未満または75歳以上の人は使用できません。
また、過去にIBSと診断・治療されたことがない人や、今回の症状がIBSの再発かどうかわからない人も使用できません。
そのほか、次のような病気や状態に該当する人も服用できません。
- 大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)の既往がある人
- 高カルシウム血症の人
- 腎結石の人
- 腎不全の人(透析中の人を除く)
- 急性腹部疾患の人
- 食べ物などを飲み込みにくい人
- 本剤や成分によってアレルギー症状を起こしたことがある人
また、発熱、血便、夜間の腹痛や下痢、繰り返す激しい下痢、嘔吐、原因不明の体重減少などがある場合も服用できません。
これらの症状は、IBS以外の病気によって起こっている可能性があります。
特に、血便や原因不明の体重減少などがある場合は、自己判断で薬を使用せず、医療機関を受診することが大切です。
なぜ服用ができないのかは、次の記事でご紹介します。

服用前に相談が必要な人
服用が禁止されていなくても、使用前に医師や薬剤師への相談が必要な人もいます。
例えば、50歳以上の人、妊娠中または妊娠している可能性がある人、糖尿病や甲状腺機能障害のある人などです。
また、透析を受けている人や、貧血のある人、腹痛や便秘がひどい人も相談が必要です。
特に注意したいのが年齢による違いです。
50歳以上75歳未満の人は服用前に相談が必要で、75歳以上の人は服用できません。
年齢によって対応が異なるため、注意しましょう。
ギュラックは飲み合わせにも注意!
ギュラックは、ほかのお薬との飲み合わせにも注意が必要です。
添付文書では、次のような薬との併用が禁止されています。
- 活性型ビタミンD製剤
- カルシウム製剤
- ジゴキシンなどの強心配糖体
- 一部の抗生物質
- 胃酸の分泌を抑えるPPIやH2ブロッカー
- 制酸剤
- ほかのIBS症状改善薬
例えば、胃薬として使われるファモチジンやオメプラゾールなども対象です。
胃薬だから問題ないと思っていても、併用できない場合があります。
服用している薬がある人は、購入前に薬剤師に確認しましょう。
ギュラックは服用できない人は?高カルシウム血症・腎結石・飲み合わせ・年齢制限の理由を解説

ギュラックの副作用は?
ギュラックの服用によって、発疹やかゆみ、吐き気、腹部膨満感、腹痛、下痢、便秘などが現れることがあります。
また、むくみ、頭痛、全身のだるさなども副作用として記載されています。
服用後に気になる症状が現れた場合は、服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
まとめ
ギュラックは、過敏性腸症候群による下痢や便秘の再発症状を改善する新しい要指導医薬品です。
有効成分のポリカルボフィルカルシウムは、腸内の水分を調整して便の状態を整える働きがあります。
下痢と便秘の両方に作用する点が特徴ですが、誰でも使えるわけではありません。
以前に医師からIBSと診断され、治療を受けたことがある人に限られ、年齢や病気、併用薬によっても使用が制限されます。
また、服用後すぐに効果が現れるとは限らず、2週間使用しても改善がなければ相談が必要です。
ギュラックは、単なる下痢止めや便秘薬ではなく、IBSの再発症状に使用するお薬です。
自分の症状に合っているかを確認し、薬剤師に相談したうえで適切に使用しましょう。
※本記事は2026年10月時点の製品情報・添付文書をもとに作成しています。実際の使用にあたっては、最新の添付文書をご確認ください。



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