↓前回は、レルミナの作用機序や食前に服用する理由についてまとめました。
レルミナ(レルゴリクス)とは?作用機序や食前に飲む理由をわかりやすく解説
今回は、副作用について調べてみました☆
レルミナでは、
- ほてり(ホットフラッシュ)
- 不正出血
- 骨密度の低下
- 関節痛
などが起こることがあります。
「副作用」と聞くと少し不安になりますが、レルミナの副作用の多くは、薬がしっかり作用してエストロゲンの分泌が低下することで起こるものです。
今回は、添付文書やインタビューフォーム、医学文献をもとに、「なぜこのような副作用が起こるのか」を分かりやすくまとめました☆
最後にこれらの副作用が起こる時期についてもまとめで記載しています。
ホットフラッシュ(ほてり)はなぜ起こる?
レルミナで比較的多くみられる副作用が「ほてり(ホットフラッシュ)」です。
国内臨床試験では、約4割の患者さんに認められています。
レルミナはエストロゲンの分泌を大きく低下させます。
エストロゲンには、生殖機能だけでなく、脳の体温調節を安定させる働きもあります。
そのため、エストロゲンが低下すると体温調節が敏感になり、普段なら反応しない程度のわずかな体温上昇でも、体は「暑くなった」と判断します。
すると体温を下げようとして、
- 顔や首の血管を広げる
- 汗をかく
という反応が起こります。
この反応がホットフラッシュです。

つまり、レルミナが直接ほてりを起こしているのではなく、エストロゲンが低下することで体温調節が変化し、その結果として起こる症状と考えられています。
レルミナが原因で生じたホットフラッシュは、服用終了後に卵巣機能が回復し、エストロゲンの分泌が回復することで改善が期待されます。
ただし、更年期など別の原因によるホットフラッシュがある場合は、服用を終了しても症状が続くことがあります。
不正出血はなぜ起こる?
レルミナでは、不正出血も比較的多くみられる副作用です。
通常、エストロゲンには子宮内膜を厚く保つ働きがあります。
しかし、レルミナによってエストロゲンが急激に低下すると、子宮内膜を十分に維持できなくなります。
その結果、子宮内膜の一部が不規則にはがれ落ち、不正出血として現れることがあります。
国内試験では、不正出血は投与開始後の比較的早い時期にみられることが多く報告されています。
一方で、エストロゲンが低い状態で安定すると子宮内膜も薄い状態となるため、出血は徐々に減少し、月経が止まる(無月経)方も多くみられます。
服用をやめると月経はいつ頃戻る?
「服用をやめても月経は戻るの?」と心配になる方もいるかもしれません。
レルミナでは、服用終了後、多くの方で月経が再開することが確認されています。
国内臨床試験では、服用終了から月経が再開するまでの期間の中央値は約37日でした。
比較薬であるリュープロレリンでは約65日だったことから、レルミナは比較的早く月経が回復することが報告されています。
ただし、月経が再開する時期には個人差があります。
骨密度が低下するのはなぜ?
骨は一度作られたら終わりではなく、古い骨を壊し、新しい骨を作るという働きを繰り返しています。これを「骨代謝」といいます。
エストロゲンには、この骨代謝のバランスを保つ大切な役割があります。
しかし、レルミナによってエストロゲンの分泌が低下すると、骨を壊す働きの方が強くなり、骨密度が低下しやすくなります。
国内第Ⅲ相試験では、24週間(約6か月)の治療で腰椎骨密度は平均約4%低下したことが報告されています。
このような骨への影響を考慮し、レルミナの投与期間は原則6か月までとされています。
服用を終了すると、多くの方で卵巣機能が回復し、エストロゲンの分泌や月経も回復していきます。一方で、骨密度が何か月で元の状態まで回復するかを示した明確なデータはありません。
そのため、医師は治療による効果と骨への影響のバランスを考えながら治療を行っています。必要以上に心配しすぎる必要はありませんが、骨粗しょう症の治療中の方や骨密度が気になる方は、診察時に相談すると安心です。
骨密度はどのように判定されるの?
骨密度はDXA(デキサ)という検査で測定されることが一般的です。
日本では、若い健康な成人の平均骨密度(YAM)と比較して評価します。
一般的な目安は次のとおりです。
| 判定 | YAMの割合 |
|---|---|
| 正常 | 80%以上 |
| 骨量減少 | 70%以上80%未満 |
| 骨粗しょう症 | 70%未満 |
※骨折の有無などによって診断基準が異なる場合があります。
関節痛はなぜ起こる?
レルミナでは、関節痛や手指のこわばりが報告されています。
関節や筋肉にもエストロゲンは関わっており、エストロゲンが低下すると、更年期にみられるような関節痛やこわばりが現れることがあります。
ただし、レルミナによる関節痛の詳しい発症メカニズムは、現在も明らかになっていません。
現時点では、エストロゲンの低下との関連が考えられていることが分かっています。
低エストロゲン症状はいつ起こりやすい?
ここまで、レルミナでみられる主な副作用について、それぞれが起こる理由を紹介してきました。
では、これらの副作用はいつ頃起こりやすいのでしょうか?
副作用はすべて同じ時期に起こるわけではなく、現れやすい時期にある程度の傾向があります。
▼副作用が現れやすい時期のイメージ

図のように、不正出血は服用開始後の比較的早い時期にみられることが多く、その後、ホットフラッシュ(ほてり)や発汗、頭痛、関節痛・筋肉痛などは、治療を続ける中で現れることがあります。
骨密度低下は急に起こるものではなく、エストロゲンが低い状態が続くことで少しずつ進行すると考えられています。そのため、先ほども記載したようにレルミナは原則6か月までの治療とされています。
もちろん、これはあくまでも「現れやすい時期」の目安です。
- 副作用がまったく出ない方
- 複数の症状が出る方
- 軽い症状だけで治療を続けられる方
など、症状の現れ方には個人差があります。
また、レルミナの服用を終了すると、多くの方で卵巣機能が回復し、エストロゲンの分泌も回復していきます。それに伴い、「レルミナによる低エストロゲン症状は改善が期待されます。」ただし、更年期など別の原因によるホットフラッシュなどは、服用終了後も続くことがあります。
副作用は不安に感じるものですが、「どんな症状が、いつ頃起こりやすいのか」をあらかじめ知っておくことで、落ち着いて治療を続けやすくなります。
気になる症状が続く場合や、日常生活に支障がある場合は、自己判断で服用を中止せず、医師へ相談しましょう。
副作用まとめ
レルミナでみられる副作用の多くは、薬がしっかり作用してエストロゲンの分泌が低下することで起こります。
- ほてり:体温調節が敏感になるため
- 不正出血:子宮内膜が一時的に不安定になるため
- 骨密度低下:骨を壊す働きが一時的に強くなるため
- 関節痛:エストロゲン低下との関連が考えられているため
服用中は気になる症状が出ることもありますが、多くは薬の作用によるものです。
自己判断で服用を中止せず、気になる症状がある場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
参考文献
- レルミナ錠40mg 添付文書
- レルミナ錠40mg インタビューフォーム
- PMDA レルミナ錠40mg 審査報告書
- Freedman RR. Physiology of menopausal hot flashes.
- Khosla S, et al. Estrogen and the skeleton.
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