妊娠中に飲める頭痛薬は?カロナール・ロキソニンの違いと注意点を解説

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妊娠中に頭が痛くなったとき、「頭痛薬を飲んでも赤ちゃんに影響はないのかな?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。

普段はロキソニンやイブなどを飲んでいても、妊娠中は同じように服用してよいのか迷いますよね。

実は、妊娠中の頭痛薬は、薬の種類だけでなく妊娠週数によっても注意点が異なります。

今回は、妊娠中に使用される頭痛薬や避けたい薬、その理由について詳しく解説します。

また、妊娠に気づかず薬を飲んでしまった場合や、頭痛薬を毎日飲んでもよいのかについても紹介します。

妊娠中に飲める頭痛薬は?

妊娠中の頭痛に対して、一般的に第一選択となるのがアセトアミノフェンという成分です。

アセトアミノフェンは、医療機関で処方される「カロナール」などに含まれています。

「頭痛の診療ガイドライン2021」でも、妊娠中の片頭痛に対する治療薬としてアセトアミノフェンが推奨されています。

ただし、妊娠中であれば誰でも自由に服用してよいというわけではありません。

妊娠中の薬の使用は、治療によるメリットと赤ちゃんへの影響を考慮して判断します。

そのため、自己判断で飲み続けず、医師や薬剤師に相談することが大切です。

赤ちゃんの発達に影響するって本当?

近年、妊娠中のアセトアミノフェンの使用と、子どもの発達との関連を指摘する研究が報告されています。

このような情報を見ると、不安になる方もいるかもしれません。

しかし、研究で関連がみられたからといって、薬が直接の原因とは限りません。

アセトアミノフェンと子どもの神経発達との関係については、さまざまな研究が行われていますが、因果関係が確立しているわけではありません。

そのため、妊娠中に必要な痛みや発熱の治療を、過度に恐れて我慢する必要はありません。

一方で、必要以上に服用することも避けるべきです。

必要な場合に、適切な量を、できるだけ短い期間使用することが基本です。

成分は同じでも、用量が異なる

例えば、市販のタイレノールAには、1錠あたりアセトアミノフェン300mgが含まれています。

一方、医療用のカロナール錠には、200mg、300mg、500mgなどの規格があります。

また、医療用医薬品と市販薬では、用法・用量や服用できる回数などが異なります。

そのため、以前処方されたカロナールと同じ感覚で、市販薬を服用することは避けましょう。

タイレノールAの添付文書でも、妊婦または妊娠していると思われる人は、服用前に医師・薬剤師などへ相談するよう記載されています。

アセトアミノフェンだけを含む市販薬であっても、妊娠中は購入前に相談することが大切です。

ロキソニンやイブは妊娠中に飲める?

ロキソニンの成分であるロキソプロフェンや、イブプロフェンなどは、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる種類の薬です。

これらの薬は、アセトアミノフェンとは異なり、妊娠中の使用に特に注意が必要です。

なぜなら、赤ちゃんの腎臓や血液循環に影響を与える可能性があるからです。

妊娠20週以降は特に注意!

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、妊娠20週以降のNSAIDsの使用を、医療従事者から特別に指示された場合を除いて避けるよう注意喚起しています。

その理由の一つが、羊水の減少です。

妊娠中期以降、羊水の多くは赤ちゃんの尿によって作られています。

NSAIDsは、プロスタグランジンという物質の産生を抑えることで、痛みや炎症を和らげます。

しかし、この作用が赤ちゃんの腎臓の働きにも影響し、尿量が減少することがあります。

その結果、羊水が少なくなる可能性があるのです。

赤ちゃんの心臓にも影響する?

もう一つ注意したいのが「動脈管」です。

動脈管は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間、血液を循環させるために必要な血管です。

通常は生まれた後に閉じていきます。

ところが、NSAIDsによってプロスタグランジンの産生が抑えられると、出生前に動脈管が収縮・閉鎖してしまう可能性があります。

これは赤ちゃんの心臓や肺の血液循環に悪影響を与えるおそれがあります。

特に妊娠後半のNSAIDs使用には注意が必要です。

なお、国内での使用可否は薬ごとの添付文書によって異なります。

例えば、医療用ロキソニンは妊娠後期の女性への投与が禁忌とされています。

妊娠20週未満であれば自由に服用してよいという意味ではありません。

妊娠週数によって注意点はどう変わる?

妊娠中は、時期によって赤ちゃんの発達状況が異なるため、薬の影響も変わります。

妊娠時期注意点
妊娠初期(〜15週)赤ちゃんの器官形成が進む時期。薬の必要性を慎重に判断する
妊娠中期(16〜27週)NSAIDsによる胎児の腎機能への影響や羊水減少に注意
妊娠後期(28週〜)NSAIDsによる動脈管収縮・閉鎖などに特に注意

※妊娠時期による一般的な注意点であり、個々の薬の使用可否を示すものではありません。

アセトアミノフェンは妊娠中の鎮痛薬として選択されることがありますが、どの時期でも必要性を考えて使用します。

妊娠に気づかずロキソニンを飲んでしまったら?

「妊娠していると知らずに、いつもの頭痛薬を飲んでしまった!」

そんな場合もあると思います。

まず、薬を飲んだからといって、必ず赤ちゃんに影響が出るわけではありません。

薬による影響は、服用した時期、成分、量、服用期間などによって異なります。

妊娠初期に偶然NSAIDsを服用した場合と、妊娠後半に継続して服用した場合では、考慮するリスクも異なります。

心配な場合は、次の情報を整理して産婦人科で相談しましょう。

  • 薬の商品名・成分名
  • 服用した日と妊娠週数
  • 1回に飲んだ量
  • 何回、何日間服用したか

薬を飲んだという事実だけで、赤ちゃんへの影響を判断することはできません。

特に妊娠後半にNSAIDsを服用した場合は、早めに産婦人科へ相談しましょう。

頭痛薬は毎日飲んでもよい?

妊娠中でも使用が検討されるアセトアミノフェンですが、毎日のように飲み続けてよいというわけではありません。

頭痛薬を頻繁に使用すると、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を引き起こすことがあります。

これは、頭痛を抑えるために薬を使用しているにもかかわらず、薬を頻繁に使うことで頭痛が慢性化してしまう状態です。

また、アセトアミノフェンを過量に服用すると、重篤な肝障害を引き起こすおそれがあります。

妊娠中に頭痛が繰り返し起こる場合は、薬を飲み続けるのではなく、頭痛の原因や治療方法について医師に相談しましょう。

市販の頭痛薬なら飲んでもよい?

市販薬でも、妊娠中に注意が必要な成分が含まれていることがあります。

例えば、同じ「頭痛薬」でも、アセトアミノフェンだけを含む製品もあれば、イブプロフェンやアスピリンなどを含む製品もあります。

さらに、複数の鎮痛成分やカフェインなどが配合されている製品もあります。

そのため、商品名だけでなく、有効成分を確認することが重要です。

また、同じブランドでも製品によって配合成分が異なる場合があります。

妊娠中は、普段使っている市販薬であっても、服用前に医師や薬剤師へ相談しましょう。

片頭痛の薬は妊娠中でも使える?

片頭痛の治療には、一般的な鎮痛薬のほかに「トリプタン系」と呼ばれる薬が使われます。

代表的な成分がスマトリプタンです。

妊娠中の片頭痛では、まずアセトアミノフェンなどが検討されますが、十分な効果が得られない場合には、医師がトリプタン系薬剤の使用を検討することもあります。

ただし、すべての片頭痛治療薬が妊娠中に使用できるわけではありません。

妊娠前から片頭痛の薬を使用している場合は、妊娠がわかった段階で処方医に相談しましょう。

頭痛薬を飲む前に受診した方がよい場合も

妊娠中の頭痛は、必ずしも片頭痛や疲労によるものとは限りません。

特に注意したいのが、妊娠高血圧症候群や子癇前症(しかんぜんしょう)などに関連する頭痛です。

子癇前症は、一般的に妊娠20週以降に発症することがあり、重症化すると母体や赤ちゃんに重大な影響を及ぼす可能性があります。

次のような症状がある場合は、頭痛薬だけで様子を見ず、速やかに医療機関へ相談しましょう。

  • 今まで経験したことのない激しい頭痛
  • 突然始まった強い頭痛
  • 目がチカチカする、視界がぼやける
  • 頭痛が続き、なかなか改善しない
  • 血圧が高い
  • みぞおちや右上腹部に強い痛みがある
  • 手足の麻痺や意識の異常がある

突然の激しい頭痛や麻痺、意識障害がある場合は、救急対応が必要です。

妊娠中は、薬を選ぶことだけでなく、頭痛の原因を確認することも大切です。

薬を飲まずにできる頭痛対策

頭痛の原因や程度によっては、生活習慣の見直しで症状が和らぐこともあります。

例えば、次のような方法があります。

  • こまめに水分を補給する
  • 空腹の時間を長くしすぎない
  • 十分な睡眠をとる
  • 光や音が刺激になる場合は静かな場所で休む
  • 首や肩の緊張がある場合は、無理のない範囲で体をほぐす

ただし、こうした対策で改善しない場合や、普段と異なる頭痛がある場合は、医療機関へ相談しましょう。

まとめ

妊娠中の頭痛薬として、一般的に第一選択となるのはアセトアミノフェンです。

一方、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDsは、妊娠週数によって赤ちゃんの腎臓や血液循環に影響する可能性があるため、注意が必要です。

また、妊娠中の頭痛には、妊娠高血圧症候群などの病気が隠れていることもあります。

大切なのは、「妊娠中だから薬は絶対に飲まない」と我慢することでも、「市販薬だから大丈夫」と自己判断することでもありません。

妊娠週数や症状に合わせて、適切な治療を選ぶことです。

頭痛がつらいときは、無理に我慢せず、産婦人科の医師や薬剤師に相談してください。


参考資料

  • 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会「頭痛の診療ガイドライン2021」
  • 国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」
  • PMDA「カロナール錠 電子添文」
  • PMDA「ロキソニン錠 電子添文」
  • FDA「FDA recommends avoiding use of NSAIDs in pregnancy at 20 weeks or later because they can result in low amniotic fluid」
  • タイレノールA 添付文書

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